43。会話形式(沼6)

こんにちはこんばんは。

 

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もう6回目なのでそろそろネタも尽きかけてきたなぁと思っている所にタイミングよく先日の私のキャスで会話形式の短編の話が挙がったので、このブログで書いていきます。

 

現在の短編は大きく分けて

・文章形式

・会話形式

の2種類に分けられます。

(文章形式の内、会話文が含まれている場合も文章形式とし、会話文と擬音だけで構成されているものを会話形式とします。

※私の個人的な分け方です。)

 

 

 

私が「3期短編」で本格的に短編を書き始めた頃は短編の主流は会話形式でした。

おそらくは、それ以前から短編を書いていた方がその形式で書かれていたので会話形式というものが普通の短編の書き方として定着していたんだろうと思います。

その為、私も会話形式で短編を書き始めました。

その後チラホラと文章形式が増え始め、私も文章形式へと書き方を変えました。

 

書き方を変えた理由は、

① 表現の幅

② 文字効率

の2つで、それぞれについて以下に文章形式との違いを書いていきます。

 

ここで一旦過去に書いた会話形式の一つを挙げておきます。

 

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生徒の西野七瀬と主人公先生とが生徒指導室で会話している短編です。

 

 

 

① 表現の幅

会話形式の短編は「状況、関係性、キャラクター性を全て自然な会話に成立させた上で」という文章形式よりもキツい縛りの中で表現する必要があります。

 

・回りくどい言い方

・強引な言い回し

・普通口に出さない単語

 

こういったものが入らない事が前提で、尚且つ自然で状況も関係性もキャラクター性も、全て初見で読者に伝わらなければならず、表現の自由度が文章形式よりも狭くなります。

 

ここで会話形式を書く際に大きく必要となってくるのが、文章形式にはあまり必要としない「変換能力」です。

 

例えば状況は文章形式だとストレートにそのまま書くことが出来ますが、会話形式で表現する場合、

・その状況下に置かれた登場人物が何を話すか

・何を話せば状況が読者に伝わるか

の2面から考え、そのどちらにも合致する会話文に変換し表現する必要があります。

 

例に挙げた短編では「生徒指導室」という場所を読者に伝える為、この単語が必然的に必要となり最初の一文に組み込んでいます。

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そして「その場所である理由」を伝える為と、西野七瀬が「この場所と状況下で口に出しうる自然な会話文」を考慮・変換して上記の様に表現しています。

 

更には「理由はわかってるだろ?」という問い掛けに対し、通常であれば「わかります」「わかりません」のどちらかが返答に組み込まれてもおかしくないですが、

西野七瀬がそのどちらも口に出していない事と溜息を吐いている事で、読者にこの短編に於ける西野七瀬が「先生に対して反抗的」なキャラクターだとこの返答で伝えています。

 

状況の文章

会話文に状況を変換

キャラクター性を持たせて更に変換

 

という感じに2段階の変換を行っています。

慣れないとかなり難しく、先にどんなキャラクターかを決めてから会話文を考えた方がすんなり表現出来るかもしれません。

 

また、表現の幅は「自由度」とは別に「短編内の時間」も文章形式よりも狭くなります。

 

会話形式で140字に納めるとすると、会話は4往復ぐらいが限度です。

たった4往復の中で前述の状況、関係性、キャラクター性を持たせ、4往復で会話が自然に始まって終わるので

短編内の表現時間は文章形式と比べてかなり短くなります。

 

 

② 文字効率

①で記述した会話形式を書く際に行う「変換」に繋がっていて、

文章形式だと単語や書き方で文字数を削ったり出来ますが、会話形式はこれがすんなり行えません。

 

キャラクター性を持たせるという事はそのキャラクター独特の言い方やニュアンス、口癖といったものが必要不可欠で、ここを削るとキャラクター性がブレる恐れがあります。

 

かといって他の部分を削ろうとしても、状況と関係性を持たせ自然な会話を成立させる上で必要となる部分ばかりなので削ろうと思ってもほとんど削れません。

 

更には

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私の場合に限らず、会話の主が変わる度「改行」によって文字数が自ずと増えてしまい、140字の内約10字はロスしてしまいます。

 

ただでさえキツい文字数枠を更に狭められてしまい、文章形式の様にギチギチに詰め込めません。

 

 

 

 

こういった理由から私は会話形式から文章形式へ書き方を変えました。

 

一見会話形式の方が文字数が少なくて簡単な様に見えますが、私としては会話形式の方が遥かに難しいと思っています。

 

よく書いていたなぁと今では思います。

文章形式の書き方に慣れてしまってもう書ける気がしませんが、またいつか気が向いたら書いてみます。

 

文章形式に書き方を変えて良いなと思ったのは表現できる情報量が圧倒的に多くなった事です。

 

会話のニュアンスでも内容でも、どうしても伝えられない凄く細かい部分も、時間や場所が短編内で変化する状況も、文章形式であれば表現が可能なので。

 

ここまで長々と書いてきましたが、結局のところ会話形式にしろ文章形式にしろ、どちらにも表現において長所と短所があって面白いという事です。

 

ただ私が会話形式の方を難しく感じ、文章形式の方が好き。というだけです。

会話形式の方が得意だし書き易いという方も居ますもんね。

 

 

短編について書けそうな事をまた思いついたら書きます。質問箱にコレについて書いて欲しいみたいなリクエストを入れて下さっても構いません。

 

 

今回もお付き合い頂きありがとうございました。

 

それでは。